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“裁判員のため休ませていただきます”「裁判員休暇制度」って?

 例えば、08年12月15日付の古河電工のホームページに、次のような一文が載りました。

 『2009年5月21日の裁判員制度の開始に備え、CSR(注1)基本方針に則り、「裁判員休暇制度」を新設いたしました。[対象者]当社にて勤務する全ての従業員(嘱託・パート等含む)[付与日数]その職務に従事するために必要な期間[休暇取扱]特別有給休暇(100%有給)として、年次有給休暇とは別に付与』(一部省略)

 裁判員制度のスタートに向けて、各企業から続々とこのような告知が出されています。各社とも、○社員・非正社員ともに対象○休暇日数の上限無し○別枠の有給休暇とする、など多少の違いこそあれ、ほぼ上記の内容が基本となっているようです。

 今年の5月21日以降の起訴事件が対象となるため、実際には7月下旬から8月頃に初の裁判員裁判が始まるわけですが、自分が裁判員に選ばれたときに、日々の業務や給料はどうなるの?という従業員の不安を払拭するカタチで設けられたのが、この休暇制度です。

 担当する事件についての資料に目を通し、自分なりの考えをまとめなければならないでしょうから、出廷日だけ休みをとれば済むというものではありません。自ずとまとまった休暇が必要となるわけです。

 小売り業界に限定して、休暇制度に対応している企業のほんの一部を紹介しましょう。

 現在のところ(以下、すべて09年1月現在)、家電量販業界では「ビックカメラ」「エディオン」「上新電機」など。百貨店では「高島屋」「J・フロントリテイリング(大丸・松坂屋)」「京王百貨店」なども導入済みです。「三越」の場合は、特別にこの制度を設けず、選挙などの際に取得する「公務休暇制度」をこれに当てる方針。この他、「イオン」「イトーヨーカ堂」など大手スーパーも同様の内容で導入を決めています。

 この休暇制度の採用にあたっては、非正社員を多く抱える小売り業はもとより、人手が不足しがちな中小・零細企業にかかる負担は小さくありません。今後は、人材確保の意味も込めて、いかに大手と中小の足並みを揃えていくことができるかが、裁判員制度そのものの課題となりそうです。

(注1)企業の社会的責任

※参考:古河電工 http://www.furukawa.co.jp/what/2008/kei_081215.htm
日経MJ (09年1月12日付)
日経BPネット http://www.nikkeibp.co.jp/

2009年5月7日(木)

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