生活と暮らし

伝承される結婚のしきたり他:6月


伝承される結婚のしきたり
幸せになれるというヨーロッパの伝承があるジューンブライド。そのため日本でも結婚式が多くとり行われます。結婚は昔からたくさんのしきたりに守られていたもののひとつでした。昨今はさまざまな形式がとられ、型にはまらない「自分らしさ」を強調するカップルも多いようですが、窮屈に見える段取りの一つひとつに、幸せを願う心や祝い事ならではの理由が込められています。
最近は仲人をたてずに挙式するケースが増えていますが、そもそも「仲人」とは男女の取り持ち役の仲介者のことで、江戸時代以降は結婚の段取りをすべて仕切り、結婚の保証人役を努めていたため「橋渡し」とも呼ばれました。また、「結納」とは家同士の結びつきを確かめる重要な儀式で、日本書紀にも記される古いしきたりです。時代を経てやりとりは物品から金銭へと変化しましたが、結納の目録に「御帯料」「御袴料」などでその名残を残しています。
そして神式結婚式に欠かせない三三九度は、新郎新婦が三度三度にわけて計九回、盃を口にする儀式で、何度も盃を重ねて固い縁を結ぶ証しとされています。なぜ「三」なのでしょう?それは「三」という数字は縁起のよい数(陽数)といわれ、三度繰り返し九とすることで最高のめでたさを表しているからなのです。
結婚といえば、江戸時代までの結婚披露宴は武家・商家にかかわらず自宅で行われるのが普通でした。このしきたりが大きく変わったのは明治時代のこと。明治30年、東京日比谷大神宮で民間人による初の神前結婚がとりおこなわれます。これを気に一般の人々の間で自宅以外で神前結婚式をする人が急増します。大正時代になると式は神前で行い、披露宴はホテルで、というパターンも出てきます。後に関東大震災で日比谷大神宮が消失し、代わりに神様を祀っていた帝国ホテルで結婚式と披露宴を同時にできるようになったのが、ホテル結婚式のはしりだそうです。
少しずつ、形をかえながらなおも残る結婚のしきたり。新しい門出を祝う気持ちはいつの世も同じですね。
※参考:「日本人のしきたり(飯倉晴武著)」青春出版社、明治記念館


意外に奥深い、傘の世界
ひと雨3000本、忘れ物ナンバー1、とくれば何のことかピンとくるでしょうか。そう、答えは「傘」。6月11日は暦の上で入梅。それにあわせてこの日は「傘の日」に制定されています。そこで今月は、傘のいろいろをご紹介しましょう。
古代エジプトの壁画からもわかるように、「傘」はそもそも日よけのためにつくられた道具でした。また、ギリシャでは神の威光を表す小道具として神像の上にかざしていました。日本へは仏教伝来とともに伝わりましたが、やはり上流階級が日傘として使用しており、権威の象徴とされていたようです。このように傘=日傘=権力の象徴という世界的な常識を打ち破ったのは18世紀のイギリスの旅行家、ジョナス・ハンウェー。当時、雨をしのぐには帽子しかないことに不便を感じた彼は、雨の日に傘をさして街中を歩いたとか。はじめは奇異の目を向けていた人々も次第に受け入れるようになったそうです。
それから200年あまり。最近は目的に応じて機能を特化させた傘が増えてきました。例えば直径130センチを超える長傘は2人が余裕で入れることから、デイサービスを始めとする介護の現場で重宝されています。もちろん折りたたみ傘も負けてはいません。長傘の特権(?)であったワンタッチに参入し、軽量・コンパクト化に向けて著しい進化をとげています。
価格の安い輸入物に押される中、国内の傘メーカーは、デザインや機能、オリジナリティにこだわった傘づくりで差別化をはかっています。
使用する私たちも、目的やファッション、天気などの状況によって、何本かの傘を上手に使い分けていきたいものですね。
※参考:しばた洋傘店、傘のハローレイン、前原光榮商店


家族で過ごそう「父の日」
6月第3日曜日は父の日ですね。日本ではこの時期、ベストファーザー賞が発表され、受賞風景をテレビで見た方も多いはず。「ナイスなお父さん」に選ばれるのは俳優・タレントは言うに及ばず、過去には県知事やスポーツ選手、企業の社長など各界で活躍中の方から幅広く選ばれて話題になっています。
世界青少年意識調査によると、日本人の7割が理想の父親像として「仕事より家庭を大切にする父親」をあげており、家庭重視のお父さんが求められています。フランス、イギリス、アメリカでも9割を超えており、世界的な傾向といえそうです。また、ある生命保険会社が行った「お父さんを漢字1文字で表すとしたら?」というアンケートでは、第一位が「優」だったそうですから、理想も実態も、地震や雷と並び称されるお父さんというよりは、やさしくて家庭思いのお父さんが増えているのですね。
さて、そんなお父さんに感謝をする日である「父の日」ですが、これが意外に歴史が浅く、アメリカで正式に祝日として制定されたのは1972年のことでした。日本で一般的になったのも1980年頃といわれています。この日、子どもたちはバラの花を贈ると言われていますが、ネクタイやカードケースなど身につける服飾雑貨が多いのは、実をとりたいお父さんを思ってなのでしょうか。さらに最近はグルメお取り寄せ便や、「脳の活性化」関係のプレゼントが好調のようです。父の日には、お父さんの好きなメニューを並べ家族そろって食事をし、その後は脳の若返りができるゲームをする…。そんな父の日の光景があちらこちらで繰り広げられているのかもしれません。
さて、お宅ではどんな1日を過ごす予定ですか?
※参考:内閣府、日本ファーザーズ・デイ委員会、住友生命保険相互会社、アサヒビール株式会社

2006年7月12日(水)

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